子会社間による3国間貿易の為替リスクヘッジ

 

当社は中国からモノを仕入れてインドへ販売をする3国間貿易をしています

今回の事例をもとに、為替リスクヘッジについて考えてみたいと思います

取引状況

販売価格を1$として記します

 9月10日 取引成立
・販売価格 1USD(アメリカドル)・・値決めレート6.8RMB
・仕入価格 6.0 RMB(中国元)

 

中国子会社から中国メーカーへの支払日 9月30日
出荷予定日 10月2日(BL発行日)
インド顧客からUSD回収日 12月31日 (BL発行後90日)

 

図で示すと次のようになります

 

まずは、為替リスクを考えてみます

日本本社では、
中国子会社にUSDで支払いますが、インドからのUSD回収が3カ月になりますので、その間の為替リスクが発生します

中国子会社では、
日本本社から受けたUSDをRMBに転換する為替リスクが発生します

 

中国子会社の為替リスクヘッジ

中国子会社では日本本社よりUSDを受けて中国メーカーにRMBで支払います

USDを受ける日からRMBを支払うまでの間の為替リスクがありますので為替予約をします

 

日本本社の為替リスクヘッジ

次に、日本本社の為替リスクヘッジを考えてみます

中国メーカーに9月30日にRMBを支払った後、インド顧客からの回収は12月31日となり3カ月間の為替リスクを負わなければなりません

その間の為替リスクヘッジ方法として、まずは2つが考えられます

ひとつは、為替予約をする方法
もうひとつは、USDで借入をする方法です

為替予約は、本日1ドル111円とすると、12月31日に為替がどう動いていても111円で回収する方法です

しかし、この場合111円で回収できることはなく、すこし円高方向での回収となります(米国ドルと日本円の金利差分)

当社は、USDで借入をする方法で為替リスクをヘッジすることにしました

本日(9月10日)USDで販売価格と同額を借入をし、そのUSDを中国子会社への支払いに充てます

このとき日本本社のUSD建ての為替ポジションは次のようになっています

USD建ての債権と債務が一致していれば、今後為替がどう動いても為替リスクはありません

1円円高になった場合には、売掛金で1円為替差損が発生し、借入金で1円為替差益が発生します

逆に、1ドル112円の円安になった場合には、売掛金で1円為替差益が発生し、借入金で1円為替差損が発生します

 

要するに、同じ通貨の貸借対照表を考えて、借方の金額と貸方の金額の差で為替リスクが発生します

この差をエクスポージャーとよびます
たとえば、売掛金が2$あり、借入金が1$しかない場合には次のようになりエクスポージャー1$となります

この1$のエクスポージャーが為替リスクにさらされている部分です

たとえば、1円円高になった場合、この例では借方側で2円の為替差損が発生します

一方、貸方側では1円の為替差益が発生しますので、合計1円の為替差損となります

逆に、1円円安になった場合には、借方側では2円の為替差益が発生し、貸方側では1円の為替差損が発生しますので、合計1円の為替差益となります

 

早期払いで中国子会社の為替リスクをヘッジする

中国子会社ではUSDを受けてからRMBを支払うまでの間為替予約をしますが、
この期間がなければ為替予約をする必要もありません

であれば、日本本社からUSD入金があったらすぐ中国メーカーへRMBで支払ってしまえば為替予約をする必要がなくなります

よって9月13日に日本本社から中国子会社へUSDを支払い、中国子会社では即RMBに転換をして翌日14日に中国メーカーへ支払うことにしました

USDに対してRMBが元安予測であるならば、なるべく支払いを遅くした方がよいですが、元高リスクを排除したいのであればこのように支払いを早めることも有効です

 

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