積立てによる将来価値を等比数列の和で考えてみる

積立てによる将来価値を求めるにはエクセルのFV関数を利用すれば求めることができますが、数学の公式を用いて算出してみたいと思います。

問題

2018年より毎年の年末に50万円を積立てて貯蓄をしたい。
年利2%で10年間積立てた場合、10年後の2028年にはいくらになっているでしょうか?

 

エクセルで毎年の積立金をそれぞれ期日(2028年末)まで計算して合計すると、6,084,358円となります。(グレー部分)

これをエクセル関数で計算するにはFV関数を使用し次のように算出します。

=FV(利率, 期間, 定期支払額, 現在価値, 支払期日)
=FV(2%,  11 , -500000, 0, 0 )
=6,084,358

注意
「期間」の位置に指定するのは、10年間運用するので「10」としてしまいがちですが、
これは運用期間ではなく積立回数を入力する必要があるため「11」と入力しなければなりません。

 

各年末に積立てた金額(50万円)の2028年の元利合計は,
等比数列の公式で求めることができ、

50万円 ×(1+2%)^運用年数   で計算できます。

等比数列の説明はこちら→ 将来価値を等比数列で考える

その等比数列で求めたそれぞれの金額を合計したものが、積立てによる将来価値の金額の答えとなります。

すなわち、「等比数列の和」というやつですね。

等比数列の和の公式は

= 初項  ×( 1  −   公比^項数  )  / (1-公比)

であり、求めたい年度の項数を指定してやれば、その年度の積立元利合計が求まります。

2028年末の金額を求めるには

初項: 50万円 ・・積立額
公比: (1+2%)・・年利
項数:11・・2028年の項数は、初年度2018年を1として11番目に相当

=50万円  ×(1-(1+2%)^11  )   /   ( 1-(1+2%))
=6,084,358

となります。

 

投資計算はエクセル関数を利用してすべきです。
しかし、出た答えも検証ができるように数式でも算出できるようにしておきたいものです。

実際、私もFV関数での計算と等比数列の和の計算の答えが違っていたため、FV関数の「期間」に設定する数値の考え方が間違えていることに気づきました。

 

 

将来価値を等比数列で考える

将来価値を算出するにはエクセルのFV関数を使用すれば答えが出ます。

しかし、FV関数が正しく使えているか確認をするため数式でも計算できるようにしたいところです。

問題

100万円を10年間、金利2%で運用する場合、10年後いくらになっているでしょうか?

 

この場合、エクセルのFV関数を使用すると答えは次のようになります。

=FV(利率, 期間, 定期支払額, 現在価値, 支払期日)
=FV(2%, 10, 0, -1000000, 0)
=1,218,994

注意
問題には「10年後いくらになっているか」となっていますが、具体的にいつ時点の金額を算出するのかを明確にする必要があります。

期首に投資をする場合と、期末に投資をする場合では10年後の日付は1年違ってきます。

エクセル関数を利用するときは、期間に「10」と入れるだけであまりいつ時点の金額なのかを意識せずに算出しがちなので注意が必要です。

期末の金額を知りたいとき、

期末に投資をする場合は、10年間の運用になるので「期間」は「10」でよいのですが、

期首に投資をする場合は11年間の運用になるので「期間」は「11」となります。

 

等比数列で算出する

問題

2018年に投資をして10年間金利2%で運用した場合、2028年にはいくらになるでしょうか?

 

このように、「2028年には」と具体的になっていると、
「2028年のいつ?」という疑問が自然と出てきますね。

2018年の年末に投資をして、10年後の2028年の年末にいくらになっているかを算出することにします。

それぞれの年度末の元利累計は次のように計算します。

2018年末・・1,000,000
2019年末・・1,000,000×(1+2%)
2020年末・・1,000,000×(1+2%)×(1+2%)
2021年末・・1,000,000×(1+2%)×(1+2%)×(1+2%)
2022年末・・1,000,000×(1+2%)×(1+2%)×(1+2%)×(1+2%)

投資額1,000,000円をSとして、式を整理すると
2018年末・・S
2019年末・・S(1+2%)^1
2020年末・・S(1+2%)^2
2021年末・・S(1+2%)^3
2022年末・・S(1+2%)^4

となります。

投資額Sを始めとして、年度が進むごとに(1+2%)を掛け算していく式となっています。

では10年後の2028年末の計算式はどうなるでしょうか?
2028年末・・S(1+2%)^10
となります。

ある数値を始めとして、一定の数値を乗じていく場合の公式について見覚えがあるかと思います。

「等比数列」というやつですね。
高校の授業でやった(はず)のではないかと思います。

等比数列とは、同じ数をかけ続ける数列です。

たとえば、

①始め2からスタートして、次々と2をかけ続けたら次のようになります。

2, 4,   8,16,32,64・・・

②始め3からスタートして、次々と2をかけ続けたら

3,6,12,24,48,96・・・

このように、始めの数を「初項」とよび、
次々のかける数値を「公比」とよびます。

①の初項は2、公比は2
②の初項は3、公比は2

となります。

等比数列とは、初項に一定の数をかけ続けていった数列ですが、
初項と公比がわかれば、求めたい先の数がわかります。

何番目の数値が何になるかがわかる式を「一般項」とよび
次のように表します。

求めたいn番目の数値 = 初項  ×   公比^(n−1)

2から始まり、10番目の数値は
=2×2^ (10-1)
=1,024

とすぐにわかります。

先の問題は、

投資額100万円に、(1+2%)を次々とかけていった数式となっていました。

初項:投資額の 100万円
公比:金利の (1+2%)・

これより2028年の数値を求めると

2028年は2018年を1として11番目にあたるから
=100万円  ×(1+2%)^(11-1)
=1,218,994円

と算出できます。

「^」はキャレットまたはハットとよび、累乗を意味し、
(1+2%)の(11-1)乗を計算しています。

 

計算はエクセル関数を利用すればよいですが、その検証方法も知っておく必要がありますので公式でも計算できるようにしておきましょう。

積立てによる将来価値の計算はこちら
→ 積立てによる将来価値を等比数列の和で考えてみる

 

 

運用利回りと収益率の違い

当社では、企業型確定拠出年金を行っており、社員が自分で退職金を運用しています。

毎月会社から拠出金が個人の口座(DC口座)へ振り込まれ、60歳まで自分で運用します。

運用状況はWebで確認できますが、運用率について見る箇所を間違えている者がいるため、記述しておきます。

 

予定利率を超えているかチェック

当社の予定利率(期待運用収益率)は3%です。

当社は、確定給付年金から確定拠出年金へ移行しました。
予定利率とは、60歳で旧制度の退職金(確定給付年金)と同額の退職金をもらうためには、何%で運用すればよいのかという利率を意味します。

運用は良いときも、悪いときもありますが、平均3%以上で運用できたら旧制度での退職金よりも多くもらうことができます。

この3%を意識して運用商品のバランスを考えながら、会社が用意した投資信託商品を売買していくのですが、

webの資産状況を見ると、利率が2つありどちらを見たらよいのかわからないという意見がありました。

社員Aの資産状況

ズバリ、予定利率3%と比較して見る箇所は「運用利回り」です。

損益率は資産残高と拠出金累計の差額を率で示したものです。
154,060÷3,000,000=5.1%

運用利回りは毎月の掛金をこれまで2%で運用してきたことを示しています。

 

積立額計算

毎年50万円を運用利率2%で運用した場合、次のようになります。

 

これは、毎年50万円づつ拠出金が支払われ、2%で運用した場合の各年度の運用累計額を表しています。

一番下段が、損益率ですが6年目を見ると5.1%となっています。

従って、入社6年目の社員Aの運用利回りは2%、損益率は5.1%ということになります。

*本来は毎月拠出金がありますが、年1回、期末に拠出するものとして計算しています。

毎年50万円づつ拠出金があり、運用利回り2%で10年間運用したらいくらになるかは、エクセル関数を利用すれば一発で出ます。

= FV  ( 0.02 , 10, -500000 , 0 , 0)
=5,474,860

それぞれの意味は次の通りです。
=FV(利率, 期間, 定期支払額, 現在価値, 支払期日)

参考
FV関数を使って積立てによる将来の貯蓄額を計算する

 

また、高校生の頃数学の授業でやった(はず?)等比数列を使うと次のようになります。

資産累計額  =初項 ×(公比 ^ 項数 -1 ) /  (公比-1)

初項:500,000円
公比:(1+2%)
項数:10年

資産累計額 =500,000 ×((1+2%)^10 -1 ) /  2%
= 5,474,860

 

運用知識を正しく身に付けて、老後の生活原資である退職金を増やしていきましょう。

 

年平均成長率計算の仕方

来期の事業計画を立てる際、どのように数値を予測していますでしょうか?

過去の売上データから将来の売上高を予測する方法として、年平均成長率を利用することがあります。

下の表は2014年度から2018年度のA商品における売上高の実績データであり、これから2019年度の売上高を予測します。

 2014年2015年2016年2017年2018年
売上高(万円)4,5004,8005,3005,5006,200
対前年増加率(%)6.7%10.4%3.8%12.7%

2019年度の売上高が2014年~2018年の平均増加率で増加すると仮定した場合に「年平均成長率」を利用することできます。

年平均成長率の計算方法

年平均成長率を計算するときは次の式を使います。

この式にデータを当てはめて計算すると

=0.08341  (8.34%)

これより2014年度から2018年度までの年平均成長率が8.34%とわかりましたので
2019年度の売上高を算出すると6,717万円となります。

2019年度売上高予測=6,200 (2018年度売上高)×(1+0.0834 ) =  6,717 万円

ルート計算ですが、エクセルで求めると次のように  1  / (m-n )  乗をします。

=(6,200 / 4,500)^(1/4)-1
=0.0834

式の考え方
A商品の売上高は2014年度に4,500万円だったものが、4年後の2018年度には6,200万円まで増加しており、この間1.37倍となっています。

1年あたりの増加率は、この1.37倍の4乗根を計算することにより求められます。

年平均成長率は、年度計画など予算を組む際に使用されます。
来期売上高を計画する際、なぜその額になるのか根拠のある数値を示しましょう。

当然、過去の推移のまま将来が続くとは限りません。
年平均成長率で求めた値を、将来の環境の変化を加味して予測値とします。
そして、その値に戦略的な変化を加味して来期の計画となります。