銀行借入利息に関するエクセル関数の注意点

銀行から資金を調達するには、返済方法として「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」があります。

これらの返済元金や返済利息を求めるには、エクセル関数を使用すればすぐに求めることができます。

しかし、銀行からの借入パターンは、エクセル関数使用と少しずれている場合もありますので、気を付けるポイントを記述しておきます。

元利均等返済方式の場合

元利均等返済方式は毎回返済する額(返済元金+支払利息)が一定となります。返済する元金は最初の方が少なくなります。

知りたい期の支払利息を求めるには「IPMT」という関数を使います。
→ IPMT関数を使って指定した期の支払利息を計算する

知りたい期の返済元金を求めるには「PPMT」という関数を使います。
→    PPMT関数を使って指定した期の返済元金を計算する

元金均等返済方式の場合

元金均等返済方式は毎回返済する返済元金が一定となります。
返済額(返済元金+支払利息)は一定ではありません。

知りたい期の支払利息を求めるには「ISPMT」という関数を使用します。
→   ISPMTを使って指定した期の支払利息を計算する

知りたい期の返済元金を求めるにはエクセル関数はありませんが、
元金を均等に返済するので借入額を借入期間で割った金額が毎回の返済元金となります。

利息を算出する際の注意点

銀行から資金調達をする場合、
借り方について大きく次の4パターンに分かれます。

これら4パターンにつき、利息計算におけるエクセル関数使用の注意点を記してみます。

利息前払 利息後払
元利均等返済方式
元金均等返済方式

(返済方法は、月末約定弁済(毎月元金を返済していく)とします。)

①.「元利均等方式」ー「利息前払」

元金の返済:毎月返済をし、元金の返済は月末に行う。
利息の支払:利息は前払のため月初に支払う。
利息計算: 月初の借入元金残高×金利

利息計算エクセル関数:IPMT  (支払期日:0期末 )

②.「元利均等方式」ー「利息後払」

元金の返済:毎月返済をし、元金の返済は月末に行う。
利息の支払:利息は後払いのため、月末に支払う。
利息計算:月初の借入金元金残高×金利

利息計算エクセル関数:IPMT (支払期日:0期末

元利均等計算における注意点

利息は前払いであっても、エクセル関数計算において支払期日を期首「1」としないこと。

エクセル関数に入力する「支払期日」は、
元金を返済するタイミングが ”期首” か “期末” かの設定なので、

利息は前払いであっても元金は期末に返済するため期末の「0」を指定する。

③.「元金均等方式」ー「利息前払」

元金の返済:毎月返済をし、元金の返済は月末に行う。
利息の支払:利息は前払のため月初に支払う。
利息計算:月初の借入元金残高×金利

利息計算エクセル関数:ISPMT (期から1を引く

④.「元金均等方式」ー「利息後払」

元金の返済:毎月返済をし、元金の返済は月末に行う。
利息の支払:利息は後払のため月末に支払う。
利息計算:月初の借入元金残高×金利

利息計算エクセル関数: ISPMT (期から1を引く

元金均等計算における注意点

ISPMTは期首に元金を返済するものとして計算するため、元金を期末に返済する場合には求める期より1を引きます。

銀行からの借入の場合は、借入元金の返済は期末になります。
(期首に元金の返済があるとすれば、その分調達額が少なくなってしまう)

利息が前払いでも後払いでも、元金返済は期末(月末)払いのため、エクセル関数の支払期日は期末払いとして計算する必要があります。

銀行からの借入で利息を前払いする事態に納得がいきませんが、仕方がありません。。

積立てによる将来価値を等比数列の和で考えてみる

積立てによる将来価値を求めるにはエクセルのFV関数を利用すれば求めることができますが、数学の公式を用いて算出してみたいと思います。

問題

2018年より毎年の年末に50万円を積立てて貯蓄をしたい。
年利2%で10年間積立てた場合、10年後の2028年にはいくらになっているでしょうか?

 

エクセルで毎年の積立金をそれぞれ期日(2028年末)まで計算して合計すると、6,084,358円となります。(グレー部分)

これをエクセル関数で計算するにはFV関数を使用し次のように算出します。

=FV(利率, 期間, 定期支払額, 現在価値, 支払期日)
=FV(2%,  11 , -500000, 0, 0 )
=6,084,358

注意
「期間」の位置に指定するのは、10年間運用するので「10」としてしまいがちですが、
これは運用期間ではなく積立回数を入力する必要があるため「11」と入力しなければなりません。

 

各年末に積立てた金額(50万円)の2028年の元利合計は,
等比数列の公式で求めることができ、

50万円 ×(1+2%)^運用年数   で計算できます。

等比数列の説明はこちら→ 将来価値を等比数列で考える

その等比数列で求めたそれぞれの金額を合計したものが、積立てによる将来価値の金額の答えとなります。

すなわち、「等比数列の和」というやつですね。

等比数列の和の公式は

= 初項  ×( 1  −   公比^項数  )  / (1-公比)

であり、求めたい年度の項数を指定してやれば、その年度の積立元利合計が求まります。

2028年末の金額を求めるには

初項: 50万円 ・・積立額
公比: (1+2%)・・年利
項数:11・・2028年の項数は、初年度2018年を1として11番目に相当

=50万円  ×(1-(1+2%)^11  )   /   ( 1-(1+2%))
=6,084,358

となります。

 

投資計算はエクセル関数を利用してすべきです。
しかし、出た答えも検証ができるように数式でも算出できるようにしておきたいものです。

実際、私もFV関数での計算と等比数列の和の計算の答えが違っていたため、FV関数の「期間」に設定する数値の考え方が間違えていることに気づきました。

 

 

将来価値を等比数列で考える

将来価値を算出するにはエクセルのFV関数を使用すれば答えが出ます。

しかし、FV関数が正しく使えているか確認をするため数式でも計算できるようにしたいところです。

問題

100万円を10年間、金利2%で運用する場合、10年後いくらになっているでしょうか?

 

この場合、エクセルのFV関数を使用すると答えは次のようになります。

=FV(利率, 期間, 定期支払額, 現在価値, 支払期日)
=FV(2%, 10, 0, -1000000, 0)
=1,218,994

注意
問題には「10年後いくらになっているか」となっていますが、具体的にいつ時点の金額を算出するのかを明確にする必要があります。

期首に投資をする場合と、期末に投資をする場合では10年後の日付は1年違ってきます。

エクセル関数を利用するときは、期間に「10」と入れるだけであまりいつ時点の金額なのかを意識せずに算出しがちなので注意が必要です。

期末の金額を知りたいとき、

期末に投資をする場合は、10年間の運用になるので「期間」は「10」でよいのですが、

期首に投資をする場合は11年間の運用になるので「期間」は「11」となります。

 

等比数列で算出する

問題

2018年に投資をして10年間金利2%で運用した場合、2028年にはいくらになるでしょうか?

 

このように、「2028年には」と具体的になっていると、
「2028年のいつ?」という疑問が自然と出てきますね。

2018年の年末に投資をして、10年後の2028年の年末にいくらになっているかを算出することにします。

それぞれの年度末の元利累計は次のように計算します。

2018年末・・1,000,000
2019年末・・1,000,000×(1+2%)
2020年末・・1,000,000×(1+2%)×(1+2%)
2021年末・・1,000,000×(1+2%)×(1+2%)×(1+2%)
2022年末・・1,000,000×(1+2%)×(1+2%)×(1+2%)×(1+2%)

投資額1,000,000円をSとして、式を整理すると
2018年末・・S
2019年末・・S(1+2%)^1
2020年末・・S(1+2%)^2
2021年末・・S(1+2%)^3
2022年末・・S(1+2%)^4

となります。

投資額Sを始めとして、年度が進むごとに(1+2%)を掛け算していく式となっています。

では10年後の2028年末の計算式はどうなるでしょうか?
2028年末・・S(1+2%)^10
となります。

ある数値を始めとして、一定の数値を乗じていく場合の公式について見覚えがあるかと思います。

「等比数列」というやつですね。
高校の授業でやった(はず)のではないかと思います。

等比数列とは、同じ数をかけ続ける数列です。

たとえば、

①始め2からスタートして、次々と2をかけ続けたら次のようになります。

2, 4,   8,16,32,64・・・

②始め3からスタートして、次々と2をかけ続けたら

3,6,12,24,48,96・・・

このように、始めの数を「初項」とよび、
次々のかける数値を「公比」とよびます。

①の初項は2、公比は2
②の初項は3、公比は2

となります。

等比数列とは、初項に一定の数をかけ続けていった数列ですが、
初項と公比がわかれば、求めたい先の数がわかります。

何番目の数値が何になるかがわかる式を「一般項」とよび
次のように表します。

求めたいn番目の数値 = 初項  ×   公比^(n−1)

2から始まり、10番目の数値は
=2×2^ (10-1)
=1,024

とすぐにわかります。

先の問題は、

投資額100万円に、(1+2%)を次々とかけていった数式となっていました。

初項:投資額の 100万円
公比:金利の (1+2%)・

これより2028年の数値を求めると

2028年は2018年を1として11番目にあたるから
=100万円  ×(1+2%)^(11-1)
=1,218,994円

と算出できます。

「^」はキャレットまたはハットとよび、累乗を意味し、
(1+2%)の(11-1)乗を計算しています。

 

計算はエクセル関数を利用すればよいですが、その検証方法も知っておく必要がありますので公式でも計算できるようにしておきましょう。

積立てによる将来価値の計算はこちら
→ 積立てによる将来価値を等比数列の和で考えてみる

 

 

エクセルFV関数利用の注意点

当社では、企業型確定拠出年金を行っており、社員が自分で退職金を運用しています。

毎月会社から拠出金が個人の口座(DC口座)へ振り込まれ、60歳まで自分で運用します。

社員には自分で投資シミュレーションができるように教育をしています。

 

積立金運用の計算(FV関数)

教育の中で大部分の者が間違えている箇所がありましたので記述しておきます。

問題1

毎年、拠出金額が会社から個人のDC口座へ50万円振り込まれます。
(実際は毎月振り込まれます)

2018年期末から10年間、金利2%で運用する場合、10年後いくらになっているでしょうか?
会社からの拠出金は年末に入金されるものとします。

 

FV関数は次の通りです。
=FV(利率、期間、定期支払額、現在価値、支払期日)

よって回答は
=FV(2%, 10, −500,000, 0 , 0 )
=5,474,860円となります。

しかし、これでは間違い。

答えは6,084,358円にならなければなりません。

間違いのポイントは「期間」です。

10年間運用するのだから「10」でよい気がしますが、ここは
「運用期間」ではなく「積立回数」を入力する必要があります。

よって
=FV(2%, 11, −500,000, 0 , 0 )
=6,084,358円となります。

 

ここで疑問が出てきます。

積立てを始める際、すでに保有している金額が100万円あった場合、どうすればよいのでしょうか?

FV関数の「現在価値」の箇所に「-1,000000」と入れればよいのでしょうか?

 

一時金運用の計算(FV関数)

検証のため、FV関数を使って一時金運用について見てみます。

 

問題2

2018年期末に100万円投資をします。金利2%で運用する場合、10年後いくらになっているでしょうか?

 

まずエクセルで計算すると次のようになり、1,218,994円となります。

FV関数を使用して計算してみると
=FV(2%, 10, 0, -1000000, 0 )
=1,218,994

FV関数の答えと表の答えが一致しているので、FV関数の使用方法は間違っていないようです。

 

一時金と積立ての両方がある場合の計算(FV関数)

 では、一時金と積立ての両方がある場合はFV関数はどう利用したらよいのでしょうか?

問題3

毎年、拠出金額が会社から個人のDC口座へ50万円振り込まれます。
2018年から10年間、金利2%で運用する場合、10年後いくらになっているでしょうか?
会社からの拠出金は年末に入金されるものとし、開始時において100万円保有しているものとします。

 

問題3は問題1と問題2を合わせたものなので、
答えは7,303,352円となります。

ここで、FV関数を使用するにおいて困ったことが起こります。

=FV(2%,「期間」,-500000, -1000000, 0 )

FV関数はこのように表されますが、

「期間」の箇所が

積立て運用の場合(問題1)は積立回数が「11」回でしたが、
一時金運用の場合(問題2)は運用期間が「10」年です。

期間の数値が異なるので一緒にはFV関数を使用できないようです。

 

一時金運用の場合の運用期間が「11」年であれば積立回数の「11」と同じになりFV関数を利用できそうです。

この場合、期首に積立てをする場合には
積立回数も「11」回となり、一時金運用も「11」年となり、FV関数の「期間」の数値が一致します。

よって、問題3において期首に積立てをする場合には

=FV (金利、期間、積立額、現在価値、支払期日)
=FV (2% , 11,  -500000,  -1000000,  1 )
=7,327,732

となります。
(ただし、現在価値は期首の金額を入力する必要があります)

 

運用利回りと収益率の違い

当社では、企業型確定拠出年金を行っており、社員が自分で退職金を運用しています。

毎月会社から拠出金が個人の口座(DC口座)へ振り込まれ、60歳まで自分で運用します。

運用状況はWebで確認できますが、運用率について見る箇所を間違えている者がいるため、記述しておきます。

 

予定利率を超えているかチェック

当社の予定利率(期待運用収益率)は3%です。

当社は、確定給付年金から確定拠出年金へ移行しました。
予定利率とは、60歳で旧制度の退職金(確定給付年金)と同額の退職金をもらうためには、何%で運用すればよいのかという利率を意味します。

運用は良いときも、悪いときもありますが、平均3%以上で運用できたら旧制度での退職金よりも多くもらうことができます。

この3%を意識して運用商品のバランスを考えながら、会社が用意した投資信託商品を売買していくのですが、

webの資産状況を見ると、利率が2つありどちらを見たらよいのかわからないという意見がありました。

社員Aの資産状況

ズバリ、予定利率3%と比較して見る箇所は「運用利回り」です。

損益率は資産残高と拠出金累計の差額を率で示したものです。
154,060÷3,000,000=5.1%

運用利回りは毎月の掛金をこれまで2%で運用してきたことを示しています。

 

積立額計算

毎年50万円を運用利率2%で運用した場合、次のようになります。

 

これは、毎年50万円づつ拠出金が支払われ、2%で運用した場合の各年度の運用累計額を表しています。

一番下段が、損益率ですが6年目を見ると5.1%となっています。

従って、入社6年目の社員Aの運用利回りは2%、損益率は5.1%ということになります。

*本来は毎月拠出金がありますが、年1回、期末に拠出するものとして計算しています。

毎年50万円づつ拠出金があり、運用利回り2%で10年間運用したらいくらになるかは、エクセル関数を利用すれば一発で出ます。

= FV  ( 0.02 , 10, -500000 , 0 , 0)
=5,474,860

それぞれの意味は次の通りです。
=FV(利率, 期間, 定期支払額, 現在価値, 支払期日)

参考
FV関数を使って積立てによる将来の貯蓄額を計算する

 

また、高校生の頃数学の授業でやった(はず?)等比数列を使うと次のようになります。

資産累計額  =初項 ×(公比 ^ 項数 -1 ) /  (公比-1)

初項:500,000円
公比:(1+2%)
項数:10年

資産累計額 =500,000 ×((1+2%)^10 -1 ) /  2%
= 5,474,860

 

運用知識を正しく身に付けて、老後の生活原資である退職金を増やしていきましょう。

 

年平均成長率計算の仕方

来期の事業計画を立てる際、どのように数値を予測していますでしょうか?

過去の売上データから将来の売上高を予測する方法として、年平均成長率を利用することがあります。

下の表は2014年度から2018年度のA商品における売上高の実績データであり、これから2019年度の売上高を予測します。

 2014年2015年2016年2017年2018年
売上高(万円)4,5004,8005,3005,5006,200
対前年増加率(%)6.7%10.4%3.8%12.7%

2019年度の売上高が2014年~2018年の平均増加率で増加すると仮定した場合に「年平均成長率」を利用することできます。

年平均成長率の計算方法

年平均成長率を計算するときは次の式を使います。

この式にデータを当てはめて計算すると

=0.08341  (8.34%)

これより2014年度から2018年度までの年平均成長率が8.34%とわかりましたので
2019年度の売上高を算出すると6,717万円となります。

2019年度売上高予測=6,200 (2018年度売上高)×(1+0.0834 ) =  6,717 万円

ルート計算ですが、エクセルで求めると次のように  1  / (m-n )  乗をします。

=(6,200 / 4,500)^(1/4)-1
=0.0834

式の考え方
A商品の売上高は2014年度に4,500万円だったものが、4年後の2018年度には6,200万円まで増加しており、この間1.37倍となっています。

1年あたりの増加率は、この1.37倍の4乗根を計算することにより求められます。

年平均成長率は、年度計画など予算を組む際に使用されます。
来期売上高を計画する際、なぜその額になるのか根拠のある数値を示しましょう。

当然、過去の推移のまま将来が続くとは限りません。
年平均成長率で求めた値を、将来の環境の変化を加味して予測値とします。
そして、その値に戦略的な変化を加味して来期の計画となります。

確定給付年金から確定拠出年金への移行注意点

皆さんの会社の退職金制度はどのようになっていますでしょうか?

当社では、最近確定給付年金から確定拠出年金へ移行しました。

簡単に済むはずだったのですが、最後の最後で大もめになり、大変なことに。。

これから確定拠出年金へ移行される担当者の手助けになればと思い記述しておきます。

確定給付企業年金とは

確定給付企業年金とは、文字通り「給付」が「確定」している「企業年金」です。
従業員が受け取る「給付額」があらかじめ約束されていて、
会社が運用の責任を負い、運用結果が悪ければ、企業が不足分を穴埋めします。DBとも呼ばれます。

確定拠出年金(企業型)とは

会社が「拠出」する掛金が「確定」している「企業年金」制度です。

加入者(従業員)が運用の責任を負い、運用結果によって給付額(年金資産)が変動します。DCとも呼ばれます。

2012年1月からマッチング拠出制度が開始され、会社掛金に加えて、企業型DC加入者が自ら掛金を拠出することもできるようになりました。

確定給付年金(DB)から確定拠出年金(DC)への移行は、従業員からすればこれまで決まった退職金額が受け取れていたのが、自分で運用することになり、運用次第ではこれまでの退職金を下回ることにもなりかねない大きな問題です。

想定利回りがもめる原因に

想定利回りとは
退職金制度を、確定給付年金制度(DB)から確定拠出年金制度(DC)に移行する場合、DCにおいて60歳で給付できる額が旧制度であるDBと同水準の給付額となるように資産形成するために必要となる運用利回りのことをいいます。

要するに、60歳で旧制度と同じだけ退職金をもらうには、何パーセントで運用する必要があるかということです。

高い率であれば、会社が負担する掛金は少なくなりますが、個人の運用ノルマは大きくなります。

低い率にすれば、社員(運用者)は運用ノルマが軽くなるので楽になりますが、会社としては毎月の掛金が高くなりますので経営を圧迫します。

DC法では想定利回りは規約で規定すべき事項とはされていないため、会社で決めればよいのですが、まず従業員ともめる要素でもあります。

23歳で入社をして、60歳で2千万円の退職金ももらうとします。

毎月の拠出額が変わらないとした場合、毎月いくらの拠出金額になるでしょうか?

(*拠出額は、昇進などにより変わるように設定されることが多いですが、ここでは入社から退社まで一定額とします)

想定利回りを2%の場合と4%の場合で比べてみます。

拠出額を計算する

将来の目標額(将来価値)のために、いくらづつ積み立てればよいかはエクセル関数のPMT関数を使用します。

参照
PMT関数を使って目標貯蓄額のため今からいくらづつ積み立てればよいかを計算する

60歳で2千万円の退職金を支給するには、毎月いくらずつ拠出すればよいかを計算します。

PMT関数の指定項目を次のように指定します。

利率:2%(想定利回り)
拠出額が月額で計算のため,利率も月利で指定 。0.02/12

期間:23歳から60歳までの月数。444ヶ月

現在価値:現在保有している金額。これから拠出するので現在は0

将来価値:60歳で支払う退職金額を指定。ここでは2千万円

エクセルのセルに、次のように入力して下さい
=PMT( 0.02/12, 444, 0, 20000000, 1 )

それぞれの意味は次の通りです
=PMT(利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)

すると答えは
-30401
となります(マイナスがついているのは、支払うからです)

毎月30,401円の拠出額が必要となります。

 

想定利回りを4%で計算してみます。

エクセルのセルに、次のように入力して下さい
=PMT( 0.04/12, 444, 0, 20000000, 1 )

すると答えは
-19646
となります。

月19,646円の拠出額が必要となります。

 

社員からすれば、想定利回りが2%であれば、毎月30,401円の拠出金額がもらえますが、想定利回り4%であれば毎月19,646円しかもらえません。
当然想定利回りは2%を要求しますね。

反対に会社は費用は少ない方がよいですから想定利回りは4%としたいところです。

 

ドルコスト平均法

想定利回りは4%で決まりました。
従業員からは毎年4%で運用するのは不可能だとの意見も出ました。

ここで、社員に理解して頂きたいのは「毎年4%で運用する必要はない」ということです。

ここで肝になるのが、「ドルコスト平均法」という考え方です。
ドルコスト平均法とは、投資において、定期的に一定金額分を買っていく方法です。

毎回購入額が決まっているため、高値のときは少ししか買わず、安値のときに多く買うことができます。

確定拠出年金は、会社が拠出する金額は毎月一定額であり、全額が投資に回りますので、ドルコスト平均法の投資となります。
(元本確保型といってリスクがない商品も含め)

確定拠出年金(企業型)は、会社が揃えた投資信託商品の中からリスク許容度に応じて商品を選択していきます。

たとえば日経平均株価に連動する商品で運用している場合、株が下がればその分多く購入することになります。

たとえば、拠出額1万円で、1単位1万円の商品を購入しているとします。
株価が下がり、1単位9千円となった場合、同じ拠出額1万円で1.11単位を購入することができます。

その後、株価が上昇して9千円から1万円に戻ったとします。
すると手持ちの評価額は1,11×10,000=11,100円となります。

株価が1単位1万円から下落せずに、そのまま1万円であった場合には手持ちの評価額は1×10,000=10,000円です。

よって、株価が下落した時に購入したため1,100円評価額が上がることになります。(あくまでも、株価が戻ることが前提としてですが)

ここで次の表をご覧ください。

投資パターンがA~Eまで5つのパターンがあります。
20年につき、毎年10,000円づつ投資をしていくとします。

どのパターンも、1年目の株価は10,000円であり、20年目の株価は21,068円で終了するとします。

このうち、最終回(20年目)において、どれが一番収益が高いと思いますか?

Aパターンは、毎年4%づつ一定で上昇していくパターンですが、この中で何番目の収益になるかわかりますでしょうか?

20年目の収益を次のように計算します。

20年目の収益額=20年目の投資評価額-20年間の投資拠出額累計

*20年目の投資評価額=20年間の累積購入数×20年目の株価
*20年間の投資拠出額累計=10,000円×20回=200,000円

すると答えは次のようになります。

A:97,781円
B:250,922円
C:198,893円
D:112,769円
E:94,259円

一定の率で上昇していくAは4番目となり収益パターンとしては優れていないことがわかります。

株価は、上昇と下降を繰り返していきます。

運用成績としては、運用利回りが同率で上昇していくよりも、ある程度資産が蓄積された後にどれだけ上昇の波に乗るかがポイントとなります。

要するに、拠出金額の累計が少ないうちは、いくら株価が上昇しても(下降しても)あまり影響はありません。

しかし、ある程度拠出額が累積してきた場合には、少しの変動が大きな影響を持つことになります。

株価は上下に変動するので、どうせ下落するなら手持ちが少ないうちに、上昇するなら手持ちが多いときに・・ということですね。

だから、金額が多い年長者はなるべくリスクのない商品を選択すべきであり、手持ちの金額が少ない若年層は積極的に運用していくことが基本となります。

年金資産配分方法で大もめに

最後に、年金資産の配分です。
ここで、思わぬ落とし穴があり社員と大もめになりました。

確定給付年金で財務部の投資成果もあり、年金資産は退職金要支給額を上回る金額が残りました。

退職金要支給額とは、今社員全員が自己都合で退職した場合の退職金総額をいいます。

それを年金資産が上回っているのですから、年金資産から全員に退職金を支払っても、なお余りがあることを意味します。

よって、社員には確定給付年金(DB)から確定拠出年金(DC)に移行の際には、現在の退職金(DB)に余剰金を上乗せしてDC口座へ入金することを約束しました。

しかし、実際に年金資産が各人のDC口座へ入金する金額が確定した一覧を見てぞっとしました。

なんと、若年層のDC金額はDB金額を下回っており、老年層のDC金額はDB金額をはるかに超えて入金されてしまいました。

では、多く入金された老年層から少なく入金された若年層に資金を回せばよいと思いますが、これはDC法に則り行っているためできないとのことです。

DC法では、次のように計算されます。

①加入者等に最低積立基準額(MFR)までを分配(法令要件)
②上記①の分配後の残余資産があれば、加入者等の要支給額-MFRを上限に当該比(要支給額比)で分配
③上記②の分配後の残余資産に対して、加入者等の要支給額で分配

まず、①で各人に最低積立基準額を分配します。

年金担当者はここを注意して下さい。

最低積立基準額とは、DBの退職金要支給額ではないということです。
これは、DC法のルールに従って計算されます。

実際にこの金額がわかるのは、年金資産を分配するときに年金数理計算というものをして、はじめてわかります。
(コンサルティング料を支払って計算してもらいます)

当社の若年層のDB退職金は、若年層に手厚くなっていたようで最低積立基準額を大きく上回っていました。
よって、最低積立基準額はDBの退職金を大きく下回ることになってしまいました。

これに②の余剰金の分配が加算されます。

しかし、この配分方法も、退職金要支給額割合で按分されるので、当然金額の大きい年配者に多く配分されることになります。

そして③でさらにそれでも余剰金がある場合には取り決めた方法で分配されます。この③に限っては会社との取り決めになります。
当社は、取り決めにより退職金要支給額割合で分配することを決めましたので、ここでも金額の多い年配者に多く分配されることになりました。

よって、若年層と老年層のDC分配額が大きく差が出てしまい、若年層は旧退職金制度における退職金額にも届かず、老年層ははるかに超えた金額となってしまいました。

老年層からは喜びの声がありましたが、担当者としては、その喜びの声は若年層からの不満を消せるはずもありません。

そこで再度監事会社に相談したところ、DC規約を変更して、金額がマイナスになった人にだけ拠出金に上乗せして拠出額を決められることがわかりました。

これは、4年均等または8年均等のどちらかということらしいので、4年均等で拠出額に上乗せして支払うことに決定しました。

たとえば、DBと比較してDC入金額が40万円少ない者には、毎年10万円づつ4年間にわたり拠出金額に上乗せして支払っていきます。

それでようやく不満の声は収まりました。

これから確定給付年金から確定拠出年金に移行される方は、想定利回りと最低積立基準額には十分注意をして下さいね。

スムーズに移行できることをお祈りします。

 

将来価値と現在価値(パワーポイントアニメーション)

会社経営において、現在価値と将来価値の考え方は頻繁に出てきますのでマスターしましょう。

たとえば、いくつか投資案件があった場合、それぞれの将来のキャッシュフロー予測を現在価値に直して投資の意思決定をします。

また、企業が他社を買収するときなど企業価値を評価しますが、その際将来のキャッシュフロー予測を現在価値に直して企業価値を評価します。

「将来価値と現在価値」について、パワーポイントでアニメーション教材を作成してみました。

( ナレーション・BGMはありません)

 

EVAとFCFの違いを理解しよう

将来の EVA (Economic Value Added:経済的付加価値) をそれぞれpresent value (現在価値) に割引いて合計したものをMVA (Market Value Added:市場付加価値) といいます。

MVAの説明はこちら → EVA(経済的付加価値)とMVA(市場付加価値)の関係

 

MVAの計算では各期のEVAを現在価値に割引きして合計しますが、

NPV(Net Present Value:正味現在価値)の計算では各期の FCF (Free Cash Flow)を現在価値に割引きして合計し、投資額を控除して計算します。

MVAとNPVの値は同額となりますが、各期のEVAとFCFは同額とはなりません。

例を示します。

100,000千円の資金を調達して事業に投資をし、将来の営業利益を次のように予測したとします。

1年目 5,000千円
2年目     6,000千円
3年目 6,500千円
4年目 7,000千円
5年目 8,000千円

MVAとNPVにつき次のように計算すると5,909千円で同額となります(赤枠)が、
EVAとFCFは各期においてそれぞれ異なる値となります。(青枠)

 

 

各期のEVA(青色)とFCF(橙色)の比較

 

EVAによる投資評価は、減価償却費は期間費用として認識しますが、FCFでは足し戻して費用として認識しません。

また、FCFでは初期投資額 が0年目のキャシュアウトとして記録され、投資のコストを投資時に一括で認識し、

それ以後の各期においては初期投資額が利益に反映されていません。
そのため、初期投資額に関係なくCFが発生しているように見えます。

それに対し、EVAでは初期投資額は減価償却費と資本コストとして各期に配分して認識されます。

各期においてどれだけの価値創造が行われているかの状況が把握できるのはEVAの方かと思いますので、業績評価指標としてはEVA の方が適しているように思います。

 

EVA(経済的付加価値)とMVA(市場付加価値)の関係

企業は事業に投資するために銀行や株主から資金を調達します。

その資金を資産に変え、その資産を利用して事業を運営していきます。

投資者から調達するコストを費用と認識し、
事業により得た利益から控除して、

企業が真に生み出した価値を評価する方法をEVA(Economic Value Added : 経済的付加価値)といいます。

このEVAは各事業年度において算出される価値であり、事業年度単位でしか評価できません。

M&Aにおいて企業価値を算定するには、将来のEVAを合算した金額を算定する必要があります。

このEVAの合算した金額のことをMVA (Market Value Added : 市場付加価値)と呼びます。

MVAの定義
「企業が将来生み出すであろうと投資家が期待するEVAの現在価値の合計」

つまり、将来の予測のキャシュフローにより算出したEVAをそれぞれ現在価値に直して合計したものがMVAです。

図で示すと次のようになります。

 

事業へ投下した資本にMVAを加算した額が企業価値となります。

 

MVAはマイナスになることもあります。
この場合は投下資本を回収できないことを意味し企業価値は棄損することになります。

 

MVAにつき説明しましたが、NPVの方が一般的に知られているかもしれません。NPVとMVAは 同額となります。

各期のCF(cash flow)の 現在価値を合計して、そこから 初期投資額を控除した額がNPVです。

NPVの説明はこちら → IRRとNPVで投資価値を評価する

 

EVAで企業の本当の価値を評価する

M&Aをしたいのだが、対象 の企業はどれくらいの 価値を生み出しているのだろうか?

いくつかある投資案件のうち、どの事業を選択したらよいのだろうか?

 

このような質問に答える 評価方法 にEVA(economic value added : 経済的付加価値) というものがあります。

定義
EVAは、資金提供者が期待するリターンを、差し引いた後の残余利益。

企業は事業に投資するために銀行や株主から資金を調達します。

その資金を資産に変え、その資産を利用して事業を運営していきます。

銀行や株主は一定の 見返りを求めて企業に出資をしますが、これが期待リターンであり企業側から見ると資本コストとなります。

この資本コストを資本を利用して生み出した利益から差し引いたものがEVAと呼ばれるものです。

図にすると次のようになります。

決算書において、損益計算書には銀行から調達する分に対しては支払利息が計上するされます。

しかし、株主から調達する分に対して費用は発生しません。
よって、株主から出資してもらった資金はただで使用できるかのごとく損益計算書表示します。

しかし、株主は投資の見返りを求めて企業へ出資をするので、その見返りがなければ資金を引き上げます。

その見返りの期待リターンが企業の資本コストであり、
この資本コストを毎期絶対額として利益から差し引き、

本来の企業が生み出した価値を評価することにより事業への投資価値を評価します。

たとえ会計上は利益が出ていても、
資本にかかるコストを上回る利益を生み出していなければ企業価値は棄損していることになりますので、

M&Aなどの場合には特に注意して価値を算出することが求められます。

どちらの企業を選びますか?

A社とB社で、共にNet Operating Profit After Tax (税引後営業利益: NOPAT) は1,000を得ました。
損益計算書ではこの部分しかわかりません。

しかし、A社は10,000を使用して1,000の利益を生み出しており、B社は100,000を使用して1,000の利益を生み出しています。

使用した投下資本に対するコスト(資本コスト)を考慮して生み出した利益を算出すると、

A社は500の利益を生み出していることに対し、B社は4,000の損失となり企業価値を棄損していることになります。

損益計算書だけでB社をM&Aしてしまったら大変なことになってしまいます。

資本コストの説明はこちら
事業価値を評価するときに使う資本コストはどのように算出するのか

 

事業価値を評価するときに使う資本コストはどのように算出するのか

事業価値を 評価するとき、NPV (net present value:正味現在価値)や EVA (Economic Value Added:経済的付加価値) などの指標を使うことがあります。
これらの指標を計算するには資本コストが必要です。

M&Aにおいて企業を評価するにも必要な知識ですのでしっかりと理解しておきましょう。

資本コストとは

企業は銀行や 株主から 資金を 調達して各事業に投資をし、そのリターンから 投資家へ 利益を 還元していきます。

企業が獲得した 利益から、資金提供者へ 還元する利益を控除した残額が、企業に蓄積され 純資産を構成します。

資金提供者へのリターンが大きければ企業へ蓄積される額は 少なくなるし、小さければ純資産額は 大きくなります。

よって、企業側から見てこの資金提供者へのリターンはコストという認識となります。
このコストのことを capital cost (資本コスト)と呼びます。

capital cost (資本コスト)は
銀行へのコストと株主へのコストの2つで 構成され、
銀行へのコストは負債コスト、株主へのコストは 株主資本コストと呼びます。

企業のコストは、この2つのコストの 資本構成により決まります。
資本構成とは企業の全体資本における 負債と 株主資本の割合のことを言います。

よって資本コストを算式で示すと

資本コスト =   負債コスト ×   負債比率    +     株主資本コスト   ×    株主資本比率

となります。

  負債コストとは

負債コストは 借入金・社債などの 有利子負債にかかるコストです。

負債コストは企業の 信用力により異なり、信用力が高い企業ほど 金利は低くなります。

貸し手からみれば 回収のリスクが低いので 要求するリターンも低くなります。
逆に、 回収リスクの高い企業へは 要求するリターンも高くなります。

負債コストは、リスクがゼロの投資資産に求められるリターンであるリスクフリーレートと、信用リスクに応じたリターンの 上乗せ分である信用リスクプレミアムから構成されます。

負債コスト   =   リスクフリーレート + 信用リスクプレミアム

リスクフリーレートには、
国 が発行する債券である 国債の 利回りが使用されます。
通常10年物の 国債が使用されます。
国債がリスクゼロと断言することはできませんが。。

 

信用リスクプレミアムは
企業の 信用リスクをあらわす格付機関によって付与された 格付になります。

格付は企業の 信用力に対する評価であり、リスクの 度合いがアルファベットで 表示されています。

最も 信用力高く安全な企業の符号が AAA(トリプルA)であり、AA(ダブルA),   A(シングルA),  BBB(トリプルB)と続きます。

AAA格の企業の信用リスクプレミアムが最も小さいということになります。

BBB以上の 格付は 投資資産として適当と評価されており、

BB以下の 格付は投資と呼ぶにはリスクが高く投機的という評価になるようです。

負債コスト を考えるときには、税引後の負債コストを計算する必要があります。

負債コストに該当する支払利息は会社が法人税を計算する際、課税所得から控除されるため、 節税効果があり実際の金利よりも負担は小さくなります。

税引後負債コスト = 負債コスト ×(1-実効税率)

たとえば
負債コスト :  3%、
実効税率 :  30.62%

の場合、実際の負債コストは
3%  ×(1-30.62%) =  2.08%
が実際に負担となる負債コストとなります。

実効税率30.62%は次のように算出されます。

  株主資本コスト  とは

銀行へのコストである負債コストは借入金に対する金利ですのですぐに理解できると思います。

では株主への株主資本コストはどのくらいなのでしょうか?

株主 は、キャピタルゲインを期待して投資をします。

キャピタルゲインは保有していた資産の価格が変動することにより得られる利益のことを言います。

株主へ還元するリターンはこの期待値ということになり、企業側から見ればこの期待値が株主に対するコストということになります。

では、この期待値はどう算出すればよいのでしょうか?

期待値を算出といっても、株がどれだけ上がったら満足するのでしょうか?
どれだけのリターンを期待するのでしょうか?

期待値を決めるのは簡単ではないので 株主の期待リターンを推定するためのモデルを利用することになります。

 

  株主資本コストを計算する CAPMとは

株主資本コストの計算には CAPM(Capital Asset Pricing Model)という方法が用いられます。

株主資本コスト = リスクフリーレート  + マーケットプレミアム × β値

で計算されます。

リスクフリーレートとは
負債コストの計算のときにも使用しましたが、安全な資産に投資した際のリターンのことで、通常10年物国債の利率が利用されます。

マーケットプレミアムとは
株式市場に平均的に投資した場合に、安全な資産よりもどれだけ多いリターンが必要かというのがマーケットプレミアムになります。

ハイリスクであれば、ハイリターンが 要求され、ローリスクならばローリターンで がまんする のがリスクとリターンの関係です。

β値とは
では個別銘柄のリターンはどう算出したらよいのか?
それには市場平均よりも、個別の株価がどれくらい変動するかを数値化します。

このマーケットに対して何倍のリスクがありますか?という指標をβ(ベータ)値と呼びます。

市場平均が10%変動した場合、5%変動する銘柄(A)、10%変動する銘柄(B)、20%変動する銘柄(C)などいろいろです。

Aの銘柄の場合、市場平均が10%プラスに変動すれば5%プラスに変動し、市場が10%マイナスに変動すれば5%マイナスに変動します。

Cの銘柄の場合は、市場平均が10%プラスに変動すれば20%プラスに変動し、市場が10%マイナスに変動すれば20%マイナスに変動します。

リスクは振れ幅のことをいいますので、振れ幅が大きいことをリスクが大きいといいいます。

Aの場合は株式市場全体へ投資するよりもリスクが小さいのでリターンも小さくてよいはずです。

リスク(=株価の振れ幅)がhalf (半分)なのでプレミアムもマーケットプレミアムの半分でいいでしょうというのがCAPMの発想です。

Cの場合は株式市場全体へ投資するよりもリスクが大きいのでリターンも大きくあるべきです。

リスク(=株価の振れ幅)が市場平均の2倍なのでプレミアムもマーケットプレミアムの2倍くださいねというのがCAPMの発想です。

 

資本コストの構成イメージ

資本コストの構成イメージは次のようになります。